Q 執行証書記載の事実関係に間違いがある場合、その効力はどうなりますか?
A
<実際の事実に反する内容が記載された執行証書>
⇒ 実際の事実関係に反する内容が執行証書に記載されている場合、その効力については、次のように考えられています。
(1)当事者の記載に間違いがあるケース
⇒ 例えば、執行証書上、甲が乙へ貸したとの記載があるものの、真実は丙が乙に貸していたような場合には、債務名義としての効力はないとされます。
(2)契約の成立時期にズレがあるケース
⇒ 例えば、金銭の交付が契約成立要件とされる金銭消費貸借契約において、その金銭の交付が執行証書作成時点よりも、若干遅れたような場合でも有効とされています。
これらは、細かい点で執行証書記載の事実関係が真実と異なっていたからといって、すぐに公正証書の効力を否定すると、公証制度の機能を阻害すると考えられているためです。
多少事実関係が異なっていたとしても、執行証書としての効力を認めるのが現在の流れです。