【意義】
カウンセリング業務委託契約書は、相談者(委託者)がカウンセラー(受託者)に対してカウンセリングの実施を委託する場合に用いられる契約書で、委託するカウンセリング業務の詳細、報酬の算定、カウンセリング記録の不開示等の項目が規定されます。
カウンセリング業務委託契約は、カウンセラーが相談者に対して仕事の完成を約束するものではなく、善管注意義務をもって、カウンセリング業務を処理する場合の契約であるため、類型としては、準委任契約であると考えられています。
【カウンセリング業務の詳細】
カウンセリング業務委託契約では、カウンセラーが債務を履行しているか否かの判断基準を明確にするため、カウンセラーが相談者に対して実施するカウンセリングの内容、実施方法等の詳細を定めることが重要です。
【報酬の算定】
民法上、特約がない限り、カウンセラーの相談者に対するカウンセリング業務の実施が終了しないとカウンセラーは、相談者に対し、報酬を請求することができません。
そのため、相談者に対して報酬を前払いしてもらう予定がある場合には、カウンセリング業務委託契約において、報酬の支払いについては、前払い制である旨の条項を定めることが重要となります。
【カウンセリング記録の不開示】
カウンセラーが作成したカウンセリング記録の開示について相談者が開示を求めた場合、カウンセラーがこれを開示すると相談者に心理的な影響を与えるおそれがあります。
そこで、カウンセリング業務委託契約では、カウンセリング記録の不開示についての条項が定められることがあります。