サンプル品提供契約書の意義


【意義】

サンプル品提供契約書は、業務提携、共同研究開発等を行うか否かを検討してもらう目的で一方当事者から他方当事者に対してサンプル品が無償で提供される場合に用いられる契約書をいい、その法的性質は、贈与契約であると考えられます。

 

サンプル品を提供するに際しては、サンプル品を提供する当事者の秘密を保護する必要があるため、サンプル品の提供を受ける当事者には、遵守事項、秘密保持義務等が課されます。

 

 


【利用の制限】

業務提携、共同研究開発等を行うか否かを検討する目的でサンプル品が提供されるため、サンプル品の提供を受ける当事者は、これ以外の目的でサンプル品を利用してはならない旨の条項がサンプル品提供契約書に規定されることがあります。

 

 


【解析、分析等の禁止】

サンプル品提供契約では、サンプル品を提供する当事者の秘密を保護する観点から、サンプル品の成分を解析し、分析する等の行為が禁止されることがあります。

 

 


【サンプル品の包装容器からの移替え禁止】

サンプル品提供契約の内容を知らない従業員、関係者、スタッフ等が誤って上記の解析、分析等を行わないようにする観点から、サンプル品の提供を受けた当事者は、サンプル品の包装容器からサンプル品を移し替えてはならない旨の規定がサンプル品提供契約書に規定されることがあります。

 

 


【契約不適合責任】

サンプル品は、商品ではなくあくまでもサンプル品に過ぎないため、品質保証等の不具合があってもサンプル品を提供する当事者は、サンプル品の提供を受ける当事者に対して代替物を提供すること以外は、何らの措置をとらない旨がサンプル品提供契約書に規定されることがあります。