座談会出演業務委託契約書の意義


【意義】

座談会出演業務委託契約書は、委託者が受託者に対して座談会への出演委託する場合に用いられる契約書をいいます。

 

座談会出演業務委託契約では、座談会の内容、利用許諾、著作者人格権、保証、委託料等が規定されることが多いといえます。

 

なお、座談会では、複数人が参加している場合があり、複数人の講演を利⽤する場合には、複数人全員と座談会出演業務委託契約を締結する必要があり、講演の利用条件を統⼀しておく必要があります。

 

 


【座談会の内容】

受託者が出演する座談会の内容については、概ね次のような事項により特定することになります。

 

(1)座談会の名称

(2)座談会のテーマ

(3)日時

(4)場所

 

 


【利用許諾】

座談会出演業務委託契約では、受託者から委託者に対して委託者及び委託者が指定する者が次に掲げる方法で座談会での講演を利用することを許諾することが多いといえます。

 

(1)講演中の甲の写真撮影

(2)講演の録⾳

(3)講演の録画

(4)講演のインターネット配信

(5)講演の文章化

(6)講演要旨の作成

(7)講演を文章化したもの及び受託者が講演中に使用した資料の翻訳

(8)演を文章化したもの及び受託者が講演中に使用した資料並びにこれらを翻訳したものの複製、譲渡、貸与又は媒体への掲載

 

 


【著作者人格権】

座談会で講演した受託者は、著作者人格権として同一性保持権、氏名表示権及び公表権を有しているため、委託者⼜は委託者が指定した者が座談会での講演を利用するときは、これらの者が合理的と認められる⽅法により受託者の⽒名を表⽰し、かつ、講演の⽂章化、講演の要旨の作成等を⾏うときには、事前に受託者に対して内容確認の機会を与えなければならないとすることがあります。

 

 


【保証】

座談会出演業務委託契約では、受託者から委託者に対して講演が第三者の著作権、プライバシー権、名誉権、パブリシティ権その他いかなる権利をも侵害しないことを保証し、万⼀、講演に関して、第三者から権利の主張、異議、苦情、対価の請求、損害賠償の請求等がなされたときは、受託者が⾃らの責任と費⽤負担においてこれらを処理解決することとし、委託者に⼀切の損害を及ぼさない旨の条項が規定されることがあります。

 

 


【委託料】

座談会出演業務委託契約における委託料には、通常、次の要素が含まれており、後になって委託者が受託者から追加で委託料の支払請求を受けることを防止するため、座談会出演業務委託契約では、委託料には、次の要素が含まれていることを規定することがあります。

 

(1)座談会への出演それ自体の対価

(2)講演の利⽤許諾の対価