機械設備賃貸借契約書の意義


【意義】

機械設備賃貸借契約書は、賃貸人が賃借人に対して機械設備を賃貸し、賃借人がこれを借り受ける場合に用いられる契約書で、賃料、設置場所、検査、契約の有効期間等の項目が規定されます。

 

機械設備賃貸借契約は、機械設備という動産の賃貸借契約であるため、借地借家法が適用されない賃貸借契約と考えられます。

 

 


【引渡し】

機械設備賃貸借契約における賃貸人は、賃借人に対して機械設備を使用収益させる義務を負っているところ、これを実現するには、機械設備を賃借人に引き渡す必要があり、また、賃借人は、賃貸人に対して機械設備の引渡しを行うよう請求することができるため、「いつ?どこで?どのような方法で?」機械設備を引き渡すのかを機械設備賃貸借契約において規定することになります。

 

なお、賃貸人は、機械設備を賃借人に引き渡すまで善管注意義務をもってこれを保存する必要があります。

 

 


【機械設備の設置場所の指定】

機械設備の返還に際し賃貸人がその設置場所を把握しておく必要性が高いことから、機械設備賃貸借契約において、その設置場所が指定されることが多いといえます。

 

もし、賃借人がその設置場所を変更するときは、事前に賃貸人の承諾を要するとすることが多いといえます。 

 

 


【検査】

賃貸人が機械設備を賃借人に引き渡した後、賃借人は、一定期間内に種類、品質又は数量について契約の内容に適合しているか否かを検査し、その内容に不適合があるときは、その期間内に、賃貸人に対してその旨を通知しなければならないとされることが多いといえます。

 

この場合において、契約内容に不適合がある旨を賃借人が一定期間内に賃貸人に対して通知したときは、賃貸人は、賃借人に対して代替物を引き渡さなければならないとされます。

 

 


【修繕】

動産の賃貸借契約における修繕については、原則、賃貸人がその義務を負うことになりますが、特約により、賃借人がその義務を負担する形にすることも可能です。

 

 


【契約の有効期間】

機械設備賃貸借契約においては、通常、契約の有効期間を定めるところ、仮にその期間が定められていなかったときは、賃貸人又は賃借人は、1日の予告期間を置いた上でいつでも解約の申入れをすることができます。

 

なお、機械設備賃貸借契約の最長期間は、民法の規定により、50年とされ、契約でこれより長い期間を定めたときであっても、その期間は、50年とされます(契約を更新すること自体は、可能)。

 

 


【返還】

機械設備賃貸借契約が終了したときは、契約終了日に機械設備を賃借人が賃貸人へ返還することになりますが、場合によっては、その返還が遅れ、賃貸人に損害が生じるおそれがあります。

 

そこで、機械設備の返還が遅れたときは、契約終了日の翌日から機械設備の返還完了日までの間、賃料の2倍に相当する額の損害金を賃借人が賃貸人へ支払う旨の条項機械設備賃貸借契約に規定されることが多いといえます。