【意義】
設備製造業務委託契約書は、受託者が製造機械等の設備を製作し、その設備を委託者の工場、事業所等に据え付ける場合に用いられる契約書で、設備の仕様及び据付工事の内容、引渡し、支給又は貸与、再委託、請負代金の算定、検査、契約不適合、不要になった据付工事の残材料の撤去等の項目が規定されます。
設備製造業務委託契約は、設備の製作及び据付工事の完成を目的とした請負契約と考えられます。
【設備の仕様及び据付工事の内容】
設備の仕様については、仕様書に記載し、据付工事の内容については、図面、現場説明書等の設計図書に記載する形になります。
【引渡し】
次の全ての事項を満たした場合に受託者による設備の引渡しがあったものとして取り扱うことがあります。
(1)設備の据付、試運転、調整、取扱説明書の交付及び委託者の担当者への教育を完了した場合
(2)設備が仕様書に記載の性能を満たしている場合
【支給又は貸与】
委託者から受託者へ支給し、又は貸与される材料、電力、用地等の範囲、条件等については、仕様書に委ねることがあります。
【再委託】
設備製造業務委託契約は、請負契約の性質を有するため、受託者は、委託者の承諾を得ることなく、いつでも再委託することができます。
もっとも、設備が製造機械の場合、再委託先がその製造及び据付工事に関与することにより、委託者のノウハウである製造方法及び製造過程がその再委託先へ外部流出する可能性があります。
そこで、設備製造業務委託契約の場合、受託者が再委託を行うときは、あらかじめ委託者の承諾を要するとすることがあります。
【不要になった据付工事の残材料の撤去】
検査合格後、受託者が不要になった据付工事の残材料を撤去し、一定期間内に委託者から据付工事のために貸与された用地を原状に復した上で明け渡すことが規定されます。
その上で、もし、その期間内に受託者がその撤去を行わないときは、委託者が受託者の費用負担でこれを代わりに実施することができるとすることがあります。