【意義】
サブスクリプションサービス利用規約は、サービス提供者が利用者に対して継続的に物又はサービスを提供し、利用者が継続的に対価を支払う場合に用いられる利用規約です。
サブスクリプションサービスの法的性質としては、継続的な準委任契約、売買契約、賃貸借契約等様々なものが考えられます。
【サブスクリプションサービスのメリット及びデメリット】
サブスクリプションサービスのメリットとしては、次の点が指摘されています。
「安定的かつ継続的に利用者を獲得できること」
⇒サブスクリプションサービスでは、利用者とサービス提供者との間で契約関係が生じると解除、中途解約等の事情がない限り、契約の有効期間(=利用期間)が満了するまで継続的に契約関係が生じ、サービス提供者側において、ある程度安定的に売上が見込めるため。
反対にサブスクリプションサービスのデメリットとしては、次の点が指摘されています。
「サービスの維持及び改善に多大なコストが生じること」
⇒サブスクリプションサービスでは、利用者に継続的にサービスを利用してもらうために、日々サービスの維持及び改善に努める必要があるところ、それらを実現するためには、サービス提供者が多大なコストをかける必要があります。
【会員種別】
サブスクリプションサービスにおける会員種別には、一つの会員のみ存在するもの及び複数の会員が存在するもの(ex.A会員、B会員、C会員等)があります。
一つの会員のみ存在するものについては、サブスクリプションサービス利用規約において、その会員だけを取り扱えば済むところ、複数の会員が存在するものについては、それぞれの会員に適用される料金、サービス内容、会員変更等を細かくサブスクリプションサービス利用規約で規定する必要があります。
【契約の有効期間=利用期間】
サブスクリプションサービスでは、利用者が継続的に利用料をサービス提供者へ支払うため、サブスクリプションサービスにおける契約の有効期間(=利用期間)は、1か月、3か月、1年等といった形で、ある程度継続的なものとなります。
【利用者による中途解約】
サブスクリプションサービスは、継続的なサービスであるため、サービスの享受を望まない利用者による中途解約を考える必要があります。
そのため、サブスクリプションサービス利用規約において、利用者による中途解約の規定が定められていることが多いといえます。
【サービス提供者によるサブスクリプションサービス提供の廃止】
事業環境の変化等からサービス提供者がサブスクリプションサービスの提供を廃止したいと考える場合があり得ます。
そこでサブスクリプションサービス利用規約においては、利用者にとって不意打ちとならないよう、一定の予告期間を設けた上でサービス提供者がサブスクリプションサービスの提供を廃止できる旨の条項が規定される場合が多いといえます。
なお、何らの制限もなく無条件に突如サブスクリプションサービスの提供を廃止する旨の利用規約を定めると「消費者の利益を一方的に害するもの」として消費者契約法の規定により無効となる場合があるため、注意を要します。
【ポイントによる利用料金の支払い】
利用者がサブスクリプションサービスの利用料金をそのサービス内で購入したポイントで支払う場合、そのポイントは、資金決済法上の「前払式支払手段」に該当するものとして、適用除外に該当しない限り、サービス提供者に届出義務等の各種義務が課される場合があります。