【意義】
フィットネスクラブ/スポーツクラブ利用規約は、フィットネスクラブ/スポーツクラブの会員がこれらのクラブを利用する場合の条件について定めた規約で入会資格、入会金、会費、退会、他店舗利用、禁止行為等の項目が定められます。
会員がフィットネスクラブ/スポーツクラブ利用規約に同意するとフィットネスクラブ/スポーツクラブと会員との間で施設利用に係る契約(=無名契約(民法に定めのない契約))が成立すると考えられます。
【クーリングオフの適用の有無】
フィットネスクラブ/スポーツクラブの利用については、原則、クーリングオフの適用対象外となっています。
【消費者契約法の考慮】
フィットネスクラブ/スポーツクラブを利用する会員は、消費者に該当し、フィットネスクラブ/スポーツクラブと会員間においては、消費者契約法が適用されるため、退会に際し過大な違約金を設定すること、クラブ内で生じた盗難の一律の免責、休業時における会費の不返金等は、認められない形になります。
なお、入会金の支払いがフィットネスクラブ/スポーツクラブの会員たる地位を取得するための対価と考えられることから、会員が一旦支払った入会金をフィットネスクラブ/スポーツクラブが返還しない旨の規定については、有効と考えられています。
【退会に伴う会費の返金】
会員が今後フィットネスクラブ/スポーツクラブの施設を利用する意思がないにもかかわらず利用を強制するのは妥当ではないため、会員が退会を希望する場合には、いつでも退会できると考えられています。
この場合に会員がフィットネスクラブ/スポーツクラブに会費を前払いしていたときは、フィットネスクラブ/スポーツクラブは、不当利得として、退会後の残日数分の会費を会員に返還する必要があります。
【退会に伴う違約金の請求】
会員がフィットネスクラブ/スポーツクラブを退会する場合、フィットネスクラブ/スポーツクラブは、その会員に対し、違約金を請求することができます。
ただし、消費者契約法の規定から、違約金を請求できる範囲は、フィットネスクラブ/スポーツクラブに生ずべき平均的な損害の額を超えないものである必要があります。
この点、フィットネスクラブ/スポーツクラブにおいては、会員が退会するのは織り込み済であること、会員が退会しても他の者を会員として新たに募集できること等からフィットネスクラブ/スポーツクラブに平均的な損害はないと考えられ、一般的には、会員に違約金を請求するのは難しいと考えられています。