【意義】
着物レンタルサービス利用規約は、サービス提供者が利用者に対して着物を提供し、利用者が利用料金を支払うことを前提にその提供を受けた着物を利用する場合に用いられる利用規約です。
着物レンタルサービス利用規約では、サービス内容、会員登録、利用料金、検査、着物の返品又は交換、禁止行為、サービスの停止等の事項が規定されます。
着物レンタルサービスでは、サービス提供者と利用者との間に着物に係る賃貸借契約が成立していると考えられています。
【利用料金】
着物レンタルサービスにおける利用料金の定め方としては、レンタル期間に応じて料金を徴収する形が多いといえます。
なお、利用者がレンタル期間を延長する場合には、延長料金が生じることがほとんどといえます。
【検査】
サービス提供者が利用者に着物を引き渡したときは、その時点で利用者が家具に汚損、破損等がないか否かを確認し、指定期間内に申し出がなければ、汚損、破損等がない着物をサービス提供者が利用者に引き渡したとみなす旨の条項が着物レンタルサービス利用規約に規定されるのが一般的です。
ただし、着物という性質から利用者に引き渡された着物に通常使用に伴う汚損、破損等があった場合については、サービス提供者が利用者に欠陥等がない着物を引き渡したものと取り扱うことが多いといえます。
【着物の返品又は交換】
着物のレンタルサービスでは、サービス提供者と利用者との間に賃貸借契約が成立していると考えられるところ、賃貸借契約には、契約不適合責任が適用されるため、利用者に故意又は過失がある場合を除き、サービス提供者から提供を受けた着物に欠陥等があるときは、利用者からサービス提供者へ着物の返品又は交換を請求できる旨の規定が着物レンタルサービス利用規約において定められることがあります。
この点、利用者が着物の返品を請求したときは、サービス提供者は、その利用者に対し、利用料金を返金し、利用者が着物の交換を請求したときは、サービス提供者は、その利用者に対し、双方が合意の上決定した形状及び料金の近い代替品を引き渡すことがあります(もし、双方が合意できないときは、サービス提供者からその利用者に対する利用料金の返金で対等する。)。
【禁止行為】
利用者が着物を滅失させ、又は損傷させる行為等を行う可能性があるため、これらの行為を禁止行為として定めることが考えられます。
【着物の返却】
利用者は、サービス提供者が指定した運送事業者を利用して着物をサービス提供者へ返却し、利用者がサービス提供者が指定する運送事業者以外の運送事業者を利用して返送した場合の送料については、利用者が負担する形が多いといえます。
また、着物を返却される際には、利用者において着物を洗濯し、又は修補することなく、そのままサービス提供者へ着物を返却しなければならないとすることが多いといえます。
なお、返却された着物に汚損、破損等があったときは、サービス提供者は、利用者に対し、損害賠償請求することができる旨の条項が着物レンタルサービス利用規約に規定されることがあります。
【サービスの停止】
着物レンタルサービス利用規約においては、システムの点検、通信回線の停止、天災地変等が生じた場合、着物レンタルサービスが停止する場合がある旨の条項が規定されるのが通例です。
【利用者都合によるキャンセル】
利用者の都合により着物レンタルサービスの利用をキャンセルする場合には、次のような形で一定のキャンセル料が生じることがほとんどだといえます。
【例】
(1)発送日の〇日前まで⇒ レンタル料金の50%
(2)発送日の△日前まで⇒ レンタル料金の80%
(3)発送日の前日以降 ⇒ レンタル料金の100%